ダイエット効果が高い運動方法とは?

ダイエットに興味があれば、有酸素運動無酸素運動について知っている人も多いかもしれません。

 


ここでは、この2つの運動がどう違うのかについてご紹介します。

 

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運動の種類

有酸素運動無酸素運動の違いとは?

 


▶︎体脂肪を燃やす「有酸素運動

有酸素運動とは、運動負荷が比較的軽い動作を持続して行う運動のことです。


代表的な有酸素運動には、ジョギングやウォーキング、水泳などがあります。

有酸素運動の特徴としては、まず筋肉を動かすのに必要なエネルギー(ATP)を得るのに、有酸素性エネルギー代謝を用いていることがあげられます。


人間は運動をするとき、ATPを大量に利用して筋肉を収縮させますが、その運動が瞬発力を要する運動か、持久力を要する運動かでATPの供給経路が異なります。

一般的に、ジョギングのような有酸素運動に分類される運動は、瞬発力よりも持久力が必要になります。


このため、ATPを素早く生成できるATP-CP系や解糖系ではなく、エネルギー供給量が大きい有酸素系という代謝経路でATPを生成します。


この代謝の過程では酸素を必要とするため、こうした運動を「有酸素運動」といいます。

 


▶︎有酸素運動で血糖値が下がる

有酸素系では、細胞のミトコンドリア内にあるTCA回路(クエン酸回路)に、ブドウ糖や遊離脂肪酸(FFA)から生成された「アセチルCoA」が取り込まれ、最終的に電子伝達系で酸素と反応させることでATPが合成されます。


つまり、有酸素運動を行うと、筋肉にどんどんブドウ糖が取り込まれ、血糖値が下がるのです。

血糖値が高い状態のままだと、細胞の中にブドウ糖を取り込むインスリンというホルモンが過剰に分泌され、余った糖分を中性脂肪として身体にためこんでしまうので、これはダイエットにおいてとても嬉しい効果です。


また、遊離脂肪酸は、いわゆる体脂肪が分解されたものが血液中に放出されたものなので、さらにダイエットの効果が期待できます。

そのほか有酸素運動は、内臓脂肪の減少による高血圧や高血糖動脈硬化の予防・改善にもつながります。

 


▶︎有酸素運動で起こりえる筋肉の低下に注意!

ランニングやウォーキング、水泳などの有酸素運動は、ダイエット効果が高く、全身の筋肉がつくといったイメージがあるのではないでしょうか?


確かに身体にいい面も多いですが、やり方を間違えてしまうと、かえって筋力を低下させてしまいます。

長時間有酸素運動を行うと、エネルギー源の糖質が不足し、脂質からエネルギーを生み出しますが、このとき筋肉にあるアミノ酸も消費され、筋肉が分解されてしまうのです。


筋肉量が減少すると、基礎代謝が低下するため、カロリーの消費量が減って痩せにくくなってしまいます。

有酸素運動による筋力低下を防ぐためには、運動前にたんぱく質と炭水化物を取り入れるのがオススメです。


エネルギー補給しておくことによって、筋肉の分解を抑えることができるからです。

過度な食事制限も、有酸素運動による筋力低下に影響を及ぼすので注意が必要です。


栄養不足ではエネルギーが足りず、筋肉が分解されてしまうので、バランスのいい食事を心がけたいですね。

また、有酸素運動無酸素運動をバランス良く取り組むことも大切です。


有酸素運動には、筋肉に大きな負荷を与える部分が少ないため、有酸素運動ばかりだと筋力は落ちやすくなります。


適度に筋力トレーニングを取り入れて、筋肉を維持するように心がけましょう!

 

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▶︎基礎代謝量を増やす「無酸素運動

一方の無酸素運動とは、筋肉に強い負荷をかけて比較的短時間で行う運動のことです。

 


代表的な無酸素運動には、筋トレや短距離走などがあります。

 


無酸素運動有酸素運動と違い、瞬発力が必要なので、ATP-CP系や解糖系といった代謝経路でATPを素早く生成します。

 


▶︎ATP-CP系とは?

ATP-CP系とは、筋肉に蓄えられているクレアチンリン酸という物質が、クレアチンとリン酸に分解されるときのエネルギーを使って、ADP(アデノシン二リン酸)をATP(アデノシン三リン酸)に再合成する代謝方法です。

 


ATP-CP系は、解糖系や有酸素系に比べてATPを素早く生成できますが、反面8秒ぐらいしか持続できません。

 


それよりも運動時間が延びると、今度は解糖系という代謝経路でATPをまかないます。

 


▶︎解糖系とは?

筋肉に蓄えられたグリコーゲン(糖の一種)や、血中のブドウ糖をピルビン酸まで分解し、その過程で生じるエネルギーを使ってATPを再合成する代謝方法です。

 


なお、ここで生成されたピルビン酸は、アセチルCoAになってTCA回路に取り込まれるか、または、乳酸に変換されて血中に放出され、他の筋肉や臓器のエネルギーになります。

 


ダンベル体操やスクワットなど、筋トレに代表される無酸素運動は、有酸素運動に比べて消費カロリーは低いものの、筋肉量を増やし基礎代謝を向上させる効果があり、「痩せやすく太りにくい身体」をつくることができます。

 


▶︎ダイエットでは有酸素運動無酸素運動の組み合わせがカギ!

結論からいえば、短期間でダイエットを成功させるためには、ジョギングなどの有酸素運動と、筋トレなどの無酸素運動を組み合わせたトレーニングがオススメです。

 


筋トレで筋肉量を増やしつつ、有酸素運動に取り組めば、脂肪燃焼効果が期待できるうえ、消費カロリーもアップします。

 


どのトレーニングが自分に合っているのかは、体重を減らしたい、筋肉量を増やしたいなど、目標によっても異なりますが、2011年に発表された「Concurrent training: A meta-analysis examining interference of aerobic and resistance exercises」という論文によると、筋トレとランニングを組み合わせた場合、最も体脂肪が減ったという結果が報告されています。

 


▶︎ダイエット成功には食事制限も欠かせない!

ダイエットに運動を取り入れるときは、同時に食事内容も見直したいですね。

 


「METs」(メッツ)という運動の強度の単位を使った計算方法によると、体重50kgの人が1時間ジョギングしたときの消費カロリーは、7メッツ(ジョギング全般)×体重50kg×1h×1.05=367.5kcal、なので意外と低いことがわかります。

 


ちなみに身体活動量で、普通以上の成人女性が1日に必要なエネルギー量は、2200±200kcal、成人男性は2400kcal~3000kcal、18~29歳の女性の基礎代謝量が1110kcal、男性が1520kcalなので、1日1時間ジョギングした程度では、消費カロリーより摂取カロリーの方が上回ってしまいます。

 


つまり、ダイエットを成功させるためには、食事制限が欠かせません!

 


食事制限をするときは、カロリー以外にも、糖質や脂質を摂り過ぎていないか、逆にたんぱく質や野菜は足りているか、など栄養面から見直すのがオススメですよ。

 

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