乾燥肌ってどんなもの?
肌がカサカサしている、潤いが感じられないのが乾燥肌です。
空気が乾燥する冬の悩みだと思われがちですが、最近はエアコンを使用する夏も乾燥するので、ほぼ一年を通じての肌トラブルとなっています。
いつまでも潤いのある若々しい肌を保つため、乾燥肌の原因とケア方法を取り入れたいですね。
乾燥肌の症状ってなに?
▶︎皮脂も水分も足りない状態
乾燥肌とは、肌の水分と皮脂が足りず、潤いがなくなっている状態で、ドライスキンとも呼ばれます。
入浴後や洗顔後に肌がつっぱったり、全身がカサカサしたりする、などの症状がみられます。
特に乾燥しやすいのは、もともと皮脂の分泌が少ない脛(すね)、膝、ひじ、足の裏などの部位で、顔では頬や目、口のまわりなどが乾燥しやすくなりますね。
▶︎肌内部の角質層が水分蒸発を防いでいる
私たちの肌は表皮で覆われていますが、乾燥と密接な関係にあるのが、表皮の一番外側にある角質層です。
角質層には「バリア機能」という役目があり、バリア機能が正常に働いていると、肌の水分を保ち蒸散を防ぐとともに、アレルゲンなどの侵入や外部刺激から肌を守ります。
その角質層は、角質細胞と細胞の間を埋めている細胞間脂質から成り立っていますが、角質細胞はアミノ酸などの天然保湿因子(NMF)で満たされ、細胞間脂質はコレステロール、セラミドや脂肪酸などで満たされています。
▶︎肌の潤いを守っているのは「バリア機能」
正常に肌の「バリア機能」が働いている状態であれば、角質層が外的刺激から肌を守り、肌内部の水分や脂質が逃げるのを防ぎ、潤いのある肌を保つことができます。
ところが、何らかの原因により、角質細胞に含まれるアミノ酸などの天然保湿因子(NMF)や細胞間脂質が減って、細胞をつなぎとめる力が弱くなると、「バリア機能」が低下し、水分が逃げてしまいます。
つまり、乾燥肌にならないためには、肌の「バリア機能」を守ることが何より大切なのですね。
皮膚のバリア機能が低下する主な原因ってなに?
▶︎肌のターンオーバーの乱れ
健康な肌は、肌の新陳代謝であるターンオーバーによって、常に新たな細胞に入れ替わり、「バリア機能」が保たれます。
ところが、ストレスや生活習慣の乱れなどでターンオーバーのサイクルが早まったり遅れたりすることで、「バリア機能」が低下し、天然保湿因子(NMF)や細胞間脂質が生成されにくくなり、水分が外に逃げやすくなります。
▶︎紫外線によるダメージによるもの
紫外線がシミ・シワや日焼けなど、様々なトラブルを引き起こすことは知られていますが、何より肌の一番外側にある角質層は、ダイレクトに紫外線のダメージを受け、肌の「バリア機能」を低下させてしまいます。
▶︎間違ったスキンケアや入浴の仕方
ナイロンタオルなどによる洗いすぎ、こすりすぎや、洗浄力が強すぎるもので洗うことによって、肌の「バリア機能」が低下することがあります。
また、42度以上の高温のお湯は、肌から必要な脂質を奪い、「バリア機能」を低下させます。
▶︎ビタミンB群の不足によるもの
栄養が偏りビタミン類が不足すると、肌に悪影響が出ます。
特にビタミンB群は、肌のターンオーバーを正常に保つ働きがあり、不足するとターンオーバーが乱れ、「バリア機能」が下がりやすくなりますので、気をつけましょう。
▶︎加齢による皮脂分泌量の減少によるもの
個人差はありますが、誰でも年齢とともに水分やセラミドなどの細胞間脂質、天然保湿因子(NMF)は減る傾向にあります。
これらが減少すると、「バリア機能」は下がりやすくなります。